映画「ありがとう」を観て

今映画のレイトショーから帰ってきた。映画「ありがとう」を観た。あ〜、まだ涙が止まらないわ。この映画は阪神大震災の実話に基づいて作られている。神戸の長田でカメラ屋さんを営む家族が家も仕事も失って、そこのご主人が唯一手元に残ったゴルフクラブでプロを目指すというストーリー。主演の赤井英和よかったなぁ〜。妻役の田中好子も。もうね、インターネットで予告編を観たときから涙が出てしまって、映画でも始まってすぐに涙が溢れ出した。阪神大震災の時の映像が流れると体が反応する。セラピーを受けてこれは大分増しになったけど家も仕事もそして家族も失わなかった私ですらこの状態である。ご家族や友人を亡くされた方々の気持ちを考えるとなんとも言えず苦しい。

映画を観て思ったのは、命あることがどんなにありがたいかということ。生きていれば奇跡を起こすことができるということ。自ら命を落とすなんてバチが当たる気がする。あのとき私の家は無事で誰も被害にはあわなかったけど、震災1週間後に神戸の中心地にある職場に行って街のあまりの変わり様に呆然と立ち尽くし涙が止まらなかったのを覚えている。

あの時私はほんと何もできなかったなぁ。出来たことは震災でダメになった支店のお客様の電話対応くらい。被害のひどかった地域に住む友人の安否確認が出来たくらい。それから10年、今の私には何が出来るだろうかと考える。今は人の話を聴く事が私にはできるけれど。でも身近で自分が役に立てることがあれば、今度は何かできるかもしれないな。

映画は最後まで見て欲しい。エンディングで河島英五の曲を聴いて欲しい。そしてその後もしっかり見て欲しい。映画のあいだ中、号泣している私の手を握ってくれていた夫の手が優しかった。普段でもたくさんありがとうを言っているけど、今夜のありがとうは私の中でも特別です。ありがとう。あ〜、まだ涙が止まらないよぉ。