自分の内面を見る作業

今日は教育分析の日だった。1ヶ月に2回ほど教育分析を受けているが、毎回自分への気づきが出てくる。私は笑ったり怒ったり泣いたり色々な感情を日々感じる。それは人間としては自然なことだ。自分を苦しめる感情が出た時は、そこにどんな価値観が働いているのだろうと振返ってみる。感情が出てくるのは必ずその人の価値観を通ってしか出てこないからだ。私は価値観はそんなに強くない方だと思うが、1つ飛びきり強い価値観(これは譲れない)がある。それはカウンセリングにおいて人の癒しに関わるカウンセラー(カウンセラーの卵ももちろん含む)は自分自身としっかり向き合うということをしなければならないということ。私はこれについてはかなり厳しい視点を持っている。普段自分に甘い私だが、この点だけは自分にも当然厳しい。人にも厳しい。

癒しに関わるカウンセラーが自分の内面を見るという作業をしない場合、色んなものがクライアントさんに影響を及ぼしてしまう。自分というものがすべてカウンセリングに出る。自分の価値観を知らないと、知らず知らずの間に自分の主観で相手を判断して枠にはめこんでしまう。クライアントを尊重する事は愚か、そんな態度を取るなんておかしいなどと思ってしまう。それはとても危険なことだ。クライアントさんにとっては悲劇としか言いようがない。

自分の価値観を知るということは、自己一致していくということにも繋がる。この自己一致は非常に重要なことである。ロジャーズも一番重要視している。悲しいと感じているのに笑っているとか、嫌だと思っているのに「いいよ」と言ってしまうとか。自分の内側で感じていることと言葉が一致していないということに気づいているのは自己一致しているが、一致していないのに気づいていない場合、カウンセラーとしては致命的だ。

私はどれだけ自分のことをよく知っているかがいいカウンセラーになるポイントだと思っている。知識に走ってしまう人もいるが、そればかりでは意味が無い。それだけでは癒しに携わるべきではないとさえ思う。自分への理解を深め(←これは一生かかってもパーフェクトには出来ないくらい難しく痛みの伴う作業だけど)、自分の抱えている問題に気づき、それを癒すことで初めて人を癒す準備ができるんじゃないかなぁと思う。これは今日の教育分析で改めて認識したこと。

神戸で勉強されているカウンセラーの卵の人たちはこの話についてはかなり耳にタコができているかもしれないな。でも自分の内面に取り組む作業を続けていくと、きっといいカウンセラーになると思う。みなさん、一緒に頑張りましょう。