ラストフレンズ

みなさん、こんにちは。

毎クール何らかのドラマを見ています。そして今クール、私の中で印象に残ったのは「ラストフレンズ」でした。いやぁ、なかなかすごいドラマでした。

本当に現代に蔓延する病理を扱っていて、見ごたえがありました。特に主人公のミチルの彼のドメスティックバイオレンス、いわゆるDV。あれは毎回ドラマながらも「恐怖感」を感じずにはいられませんでした。主人公とその彼はまだ結婚していない設定だったので、DVはDVでもデートDVというものです。デートDVは最近ものすごく急増している傾向にあります。

何も殴る蹴るだけがDVではないんですよ。DVというのは相手を束縛したり(逐一行動を報告させられるたりするのもそう)、監視したり、お金を取り上げたり、精神的に支配するというのが含まれるんです。ドラマではDVをする宗佑も虐待されてきた過去があり、「人を愛する」ということが暴力を介してしかできないという設定でした。

確かに家族療法的に見ていくと、虐待されてきた子どもが将来その子どもを虐待したり、パートナーに暴力を振るうことも少なくありません。これは世代間伝達とも言えるもので、家族の病理が繰り返されるパターンになります。だからジェノグラムという世代家系図を書いてみると、パターンが見えてくるのです。

でもどうやったらこういったDVや虐待を少なくしていけるんだろう???と色々考えてしまいます。私の大学院のクラスメイトはDV被害者の支援をしているのですが、そういう支援とともに、加害者への心理教育も重要なのだろうと思います。アメリカではDV加害者に対しては、裁判所からカウンセリングを定期的に受けることが義務付けられているのに、まだまだ日本ではそこまで行ってません。法的整備が進むのはまだまだ先になりそうです。

今私たちができることは、DVや虐待を目撃したり、その疑いがある場合、勇気を持って通報するということなのだと思います。一人でもこういった被害に遭わないように、地域で協力していきたいものです。