love you forever

先月お盆の時期に東京で、8日間チャイルドセラピー(大学院の夏期集中講座)をみっちり学んできた。子どものセラピーに関する知識はまだまだ私は基礎レベルであるが、60種類近くものプレイセラピーを実際に体験することができて大収穫である。将来的には子どものセラピーにも携わりたいと気持ちが固まった。プレイセラピーの担当教授はアメリカ人女性で、とても話しやすく温かいハートの人だった。

その教授が授業中に子どもの絵本をたくさん紹介してくれたのだが、中でもひと際私の心にじーんときた絵本があり、その本をとても気に入ってしまったので、こちらに戻ってから早速amazonで購入したのだった。その絵本のタイトルは「love you forever」。母子の愛着をテーマとした本である。内容はこんな感じ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

あるお母さんのところに赤ちゃんが生まれました。
お母さんはその子を腕にしっかりと抱いて、こんな歌を歌い聞かせました。
「ずっと愛しているわよ。いつだってあなたのことが好き。私が生きている限りあなたは私の子どもよ」


子どもは成長して、2歳のワンパク坊やになりました。
そこらじゅうのものを引っ掻き回し、もうお母さんは発狂しそうになりました。
それでも夜になるとお母さんはその子の寝室に行き、その子を抱きながら、あの歌を歌います。
「ずっと愛しているわよ。いつだってあなたのことが好き。私が生きている限りあなたは私の子どもよ」


子どもはますます大きくなり、9歳になりました。遊んで夕食に帰ってこなかったり、悪い言葉遣いをしたりしました。お母さんはその子を動物園に売ってしまいたいくらいに思いました。

それでも夜になって子どもが寝静まったあと、こっそりその子の寝室へ行き、その子を抱きかかえながらまたあの歌を歌います。
「ずっと愛しているわよ。いつだってあなたのことが好き。私が生きている限りあなたは私の子どもよ」


子どもは成長してティーンエージャーになります。家の中はまさに動物園のよう。それでもやっぱりお母さんは夜中にその子が寝静まったあと部屋へ行き、その子を抱きかかえあの歌を歌います。
「ずっと愛しているわよ。いつだってあなたのことが好き。私が生きている限りあなたは私の子どもよ」


子どもは成長して家を出て隣町に引っ越していきました。それでも時々お母さんは夜中に車にはしごを載せて息子のところに行き、はしごを伝って息子の家の窓から入り、寝ている息子を抱きながらまたあの歌を歌います。
「ずっと愛しているわよ。いつだってあなたのことが好き。私が生きている限りあなたは私の子どもよ」


でもある日、お母さんは息子に電話をかけ、「私は病気でもう歳だから会いに来てほしい」と言います。そしてお母さんは電話口でまたあの歌を歌います。
「ずっと愛しているわよ。いつだってあなたのことが好き・・・」
でも最後まで伝えることが出来ませんでした。


大きくなった息子はお母さんのところに行き、お母さんを抱きかかえながらあの歌を歌います。
「ずっと愛しているよ。いつだってあなたのことが好き。私が生きている限りあなたは私のお母さんだよ」


家に帰ってから息子は階段を上りながらしばらく立ち尽くします。
そして部屋に入り、新しく誕生した自分の娘を大事そうに抱きかかえて揺らしながら、あの歌を歌います。


「ずっと愛しているよ。いつだって君のことが好き。私が生きている限り君は私の子どもだよ」

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愛着、すなわち愛情の絆はこうして受け継がれていくんだなぁとしみじみ感じた私。私の母は愛し方が少し歪んでいたのかもしれないけれど(過干渉過ぎて)、愛情はもらっていたんだなと感じた。そして私を育ててくれた祖母からもたくさんの愛情をもらって生きてきたのだなぁと振り返って思うのである。

その私の大好きな祖母が8月下旬に93歳で亡くなった。あなたを見送るとき、私は心の中でこの歌を歌ったよ。
「ずっと愛しているよ。いつだってあなたのことが好き。私が生きている限りあなたは私のおばあちゃんだよ」

祖母が生きている間に約束したことがある。いつか魂になってもまた出会って家族になりましょうと。
本当に人間の体は魂の器に過ぎない。もう会えないのは寂しいけど、でもしっかりあなたからもらったものは私の中に息づいているよ。ありがとうな、ゲンさん。育ててくれて。

Love You Forever

Love You Forever